賭け将棋をなりわいとする「真剣師」たちの戦いを描いた柴田ヨクサルさんの将棋マンガ「ハチワン
ダイバー」。
06年から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載され、08年にはテレビドラマ化もされた。
メイド姿の棋士が登場したり、真剣勝負にのめりこむ棋士の姿を「9×9マスの将棋盤への“ダイブ”」
と表現したり、独特の演出で人気を集めている。
柴田さんにマンガと将棋への思いを聞いた。
柴田さんと将棋の関わりを教えてください。
僕は北海道の旧留辺蘂(るべしべ)町(現在は北見市と合併)という田舎の生まれなんですが、
小学校4年生から将棋を始め、6年生の頃には一応、町内の子供の中では敵なしだったんです。
そこで、町の将棋クラブの先生が奨励会(プロ棋士の養成機関)に推薦してくれることになって、
試験として関根茂九段(当時、現在は引退)と飛車角落ちで対局したんです。
ところがもう手も足も
出ないくらいにやっつけられて、そのうえ「指し方が良くない」「子供らしくない」と酷評されて、すっかり
プロはあきらめてしまったんです。
マンガ家を目指したのは。
将棋のほかにも絵が好きで、油絵が得意だったんです。
中学生の時にふと「ヤングマガジン」を
読んだら望月峯太郎さんの「バタアシ金魚」という作品が載っていて。
今振り返ると当時のヤング
マガジンはいわゆる「ヘタウマ」って呼ばれる個性的な絵のマンガが多かったので、勘違いですけど
「俺にも描けるかも」と思いました。
高校を卒業するまでに3回くらい「ヤングマガジン」に投稿しました。
高校卒業の前に投稿した作品が新人賞の佳作に選ばれました。
それで、アシスタントとして修行する
ために上京したんです。
その後、アシスタントは2年くらい続けて、当時創刊されたばかりの「ヤング
アニマル」(白泉社)に投稿した「谷仮面」でデビューしたんです。
デビューは学園ものですが、将棋を描こうとは思いませんでしたか?
前から構想はしていましたけど、将棋の世界をマンガで表現するのは想像以上に難しいんです。
タイトル戦なんて正座してビシッとした姿勢で指すわけで、動きなんてほとんど無いですからね。
一度はネームまで書きましたがそこまででした。
「ハチワンダイバー」を始めたきっかけは
将棋は“静”ですけど、棋士同士の頭の中では、取っ組み合いのケンカをしているようなもので、この
部分では実はアクションなんですね。
「谷仮面」「エアマスター」とアクションものを続けて10年描いてきて、
今なら出来るという思いが沸いてきたんです。
そこで、前々から声をかけて頂いていたヤングジャンプ
編集部さんに相談しました。
編集部さんが協力してくれて、鈴木大介八段が棋譜を提供してくれて、
自信がみなぎったんです。
「真剣師」の世界を描こうと思ったのは
やっぱり、マンガは「勝負」を描かないとダメだと思うんです。
連載を始める前に新宿の将棋道場に
通って、実際の空気感を体験したりましましたが、プロの対局と違って、真剣師の世界はなんでもあり。
「待った」なんて当たり前で、駒の動かし方まで変えちゃう人もいるんです。
「きれいごとだけじゃない」
というこの空気はマンガに持って来いでした。
(続く)
毎日新聞まんたんウェブ

ダイバー」。
06年から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載され、08年にはテレビドラマ化もされた。
メイド姿の棋士が登場したり、真剣勝負にのめりこむ棋士の姿を「9×9マスの将棋盤への“ダイブ”」
と表現したり、独特の演出で人気を集めている。
柴田さんにマンガと将棋への思いを聞いた。
柴田さんと将棋の関わりを教えてください。
僕は北海道の旧留辺蘂(るべしべ)町(現在は北見市と合併)という田舎の生まれなんですが、
小学校4年生から将棋を始め、6年生の頃には一応、町内の子供の中では敵なしだったんです。
そこで、町の将棋クラブの先生が奨励会(プロ棋士の養成機関)に推薦してくれることになって、
試験として関根茂九段(当時、現在は引退)と飛車角落ちで対局したんです。
ところがもう手も足も
出ないくらいにやっつけられて、そのうえ「指し方が良くない」「子供らしくない」と酷評されて、すっかり
プロはあきらめてしまったんです。
マンガ家を目指したのは。
将棋のほかにも絵が好きで、油絵が得意だったんです。
中学生の時にふと「ヤングマガジン」を
読んだら望月峯太郎さんの「バタアシ金魚」という作品が載っていて。
今振り返ると当時のヤング
マガジンはいわゆる「ヘタウマ」って呼ばれる個性的な絵のマンガが多かったので、勘違いですけど
「俺にも描けるかも」と思いました。
高校を卒業するまでに3回くらい「ヤングマガジン」に投稿しました。
高校卒業の前に投稿した作品が新人賞の佳作に選ばれました。
それで、アシスタントとして修行する
ために上京したんです。
その後、アシスタントは2年くらい続けて、当時創刊されたばかりの「ヤング
アニマル」(白泉社)に投稿した「谷仮面」でデビューしたんです。
デビューは学園ものですが、将棋を描こうとは思いませんでしたか?
前から構想はしていましたけど、将棋の世界をマンガで表現するのは想像以上に難しいんです。
タイトル戦なんて正座してビシッとした姿勢で指すわけで、動きなんてほとんど無いですからね。
一度はネームまで書きましたがそこまででした。
「ハチワンダイバー」を始めたきっかけは
将棋は“静”ですけど、棋士同士の頭の中では、取っ組み合いのケンカをしているようなもので、この
部分では実はアクションなんですね。
「谷仮面」「エアマスター」とアクションものを続けて10年描いてきて、
今なら出来るという思いが沸いてきたんです。
そこで、前々から声をかけて頂いていたヤングジャンプ
編集部さんに相談しました。
編集部さんが協力してくれて、鈴木大介八段が棋譜を提供してくれて、
自信がみなぎったんです。
「真剣師」の世界を描こうと思ったのは
やっぱり、マンガは「勝負」を描かないとダメだと思うんです。
連載を始める前に新宿の将棋道場に
通って、実際の空気感を体験したりましましたが、プロの対局と違って、真剣師の世界はなんでもあり。
「待った」なんて当たり前で、駒の動かし方まで変えちゃう人もいるんです。
「きれいごとだけじゃない」
というこの空気はマンガに持って来いでした。
(続く)
毎日新聞まんたんウェブ

2: 無限の薫製φ ★ 2009/01/03(土) 22:12:17 ID:???
主人公・菅田の「ダイブ!」の描写が印象的です
将棋に限らず頭の中が右往左往しているときの没頭している感じをどう表現するか考えていくうちに、
子供のころの対局を思い出したんです。
子供の将棋だから制限時間なんて無いので、いつまでもずっと
考えている。
外部をさえぎって集中して、しかもその中身はもうとんでもないことになっている。
あ、あれは“潜ってるな”とふと思いついたんですね。
狙いとしてはさらに、「真剣師」をダイバーと呼べた
らかっこいいなと考えているのですが。
「ダイブ!」は実体験だったわけですね
そうですね。
僕は高校の時は実はレスリング部で、「エアマスター」もその時の経験が生きてます。
基本的には自分の中にあるもので勝負するタイプの漫画家だと思います。
08年はドラマにもなりました
うれしかったですよ。
これで将棋の面白さが伝わればいいなと思ったし、何より、テレビドラマになる
ようなマンガを描けるとは思っていなかったですから。
「エアマスター」はアニメ化されましたけど、反響
が違いました。
普段マンガを読まない人にまで届いたのが本当によかった。
菅田役の溝端淳平さんが
ごっそりファンを引き連れてきてくれて、ヒロイン・そよ役の仲里依紗さんもピッタリだったと思います。
今後の展開は
「真剣」の世界を描いた作品ですが、菅田にプロ棋士の姿をどう見せるか、夢を見させるのかどうかが
キーになると思います。
菅田は、プロ棋士になれなかったという僕の思いが詰まったキャラクターです。
やはり描かずにはいられない部分だと思います。
もう一つは、将棋の良さを伝えることですね。
マンガで将棋に触れる人も増えたのでは
柴田 そう言ってもらえたら一番うれしいです。
幸い、今はネット対戦の出来るゲームもあって、盤をはさまなくとも対局が出来ます。
僕も参加して時々指していますが、将棋人口が増えれば本当にいいですね。
(終わり)




